Skyrim動画のすさまじさ

The Elder Scrolls V: Skyrim」 というゲームがある。1994年の 「The Elder Scrolls: Arena」 から続くシリーズの五作目で、広い世界を自由に探索できるオープンワールド型のRPGだ。日本でそこそこメジャーになったのは、多分日本語版が発売された前作の 「The Elder Scrolls IV: Oblivion」あたりからだと思うのだけど、これは あくまで字幕版で、声優による吹き替えはSkyrimが初めてらしい。

基本的なストーリーは、以下の様な感じ。

タムリエルという大陸の北方に位置するスカイリムが舞台。この国は現在帝国と反乱軍の内戦状態にある。主人公はなにかの間違いで反乱軍の一味として帝国に捕まり、反乱軍の指導者、ウルフリック・ストームクロークらととも死刑になりかける。主人公がまさに処刑される寸前、突然現れた黒いドラゴンによって町が壊滅、主人公は脱出する。もともと The Elder Scrolls シリーズは伝統的に毎回出自が定かで無い囚人が主人公で、冒頭で何らかの理由で解放され、ゲーム世界のチュートリアルを受けるというシステムがある。ようするにドラクエの主人公に名前がなく、プレイヤーを投影するのと同様の仕掛けが「出自不明の囚人」なのだ。

で、ニコニコ動画などに大量のプレイ動画があがってる、これがもう、単純にプレイ記録的な動画も数多くあるんだけど、主人公や背景設定を独自に作って、独自ストーリーを考えて組み立てた二次創作的な作品も数多く上がっているのだ。このシリーズはもともと独自のTRPGをやってた人たちがコンピューターゲームにしたものらしい。そういうのもあってやたら世界設定、主人公以外の設定が細かく存在する。ゲーム内で歴史を扱った本が大量に入手でき、それをコレクションして読む楽しみもあるくらいだ。そんななかで主人公のプロフィールが全く不明という点がまた創作意欲をそそるわけだ。

現時点で、そういう、単なるプレイ動画に収まらなくて、独自のストーリーを展開している動画をまとめた動画が二本アップロードされている。

ここでまだ取り上げられていない作品もいくつもあるのだけど、それは探してみてほしい。

で、びっくりするのがこういう動画作ってる人、マジアニメか映画の監督、演出レベルの作業をやってるのよ。

実際にSkyrimをプレイするとわかるのだけど、普通に購入してプレイしてたらこんな動画ぜったいできない。

ゲームプレイにおいて、基本的に主人公一人、もしくは途中で雇った従者を一人だけ引き連れて行動できる。たまにイベントで三人以上を連れ歩くことはあるけど、基本はそういう感じ。しかもカメラはつねに主人公の後方から固定視点で撮影してる。にも関わらず、アップロードされている動画は、キャラのドアップあり、本来のゲームでは存在しない台詞のための口パクあり、3人以上の同行者あり、上空から舐めるようなカメラ操作あり。従者と主人公の入れ替えあり、あげくのはてに、OPで死ぬために出てくるちょい役NPCを主人公にしちゃったりなんてのまである。

 

こういうのはMODとコンソールコマンドで可能になるのだけど、想像するだに大変なのだ。ランダム要素もあるし、複数キャラを適切に配置してポーズ取らせるとか、むちゃくちゃめんどくさい作業なのだ。もうあれ絶対「余裕あるニート」じゃないとできないぜ。それはもう、ほんと尊敬すべきバカどもなんだよ。

 

彼らがストーリーのために緻密な絵コンテ作ってるとは思えないけど、ストーリーのためのシーンを撮影するためになんどもリテイク(セーブデータから何度も再開)してるのは確かで、もうそういうの考えるとすげえとしか言えない。

最後に僕が推薦するSkyrim動画をいくつか。

 

文句なく面白いシモネタ系。だけどパロディ色が強いので、ゲーム一通りやってないと面白さがわかりにくいかも。

 

タイトルで引かれそうだけど、主人公(老け顔ロリコン)とロリの掛け合いが楽しい。結構まじめに面白い作品。

 

(書いていいのかな?ラストでゲーム開始時点に至る)。この作品、続編もあるけど、すごいまじめにストーリー作ってます。漫画家として嫉妬するほど。とにかくいい話。

 

爬虫類系美少女ヒロインドラ子と、女子力高い戦士マスラオの冒険。これも期待の作品。本来アレな人がゲームの主人公だったポジションにいたりとか、そういうところも面白いけど、これもやっぱ一応自分でゲームやってから見て欲しいかも。

 

とりあえずこのへんは見て下さい。多分面白さ保証できると思う。