ITMediaの記事:「Second Life“不”人気、7つの理由」を改めて検証する


微妙な記事

えーと、微妙に誤解を招きそうな部分がいくつか…

「3Dアイテムを制作するなど重い処理をしない限り、Netbookでも問題なく動く」と米Linden Labの日本担当責任者ジェイソン・リンクさんは話す。

NetBookってもいろいろあると思うけど、少なくともAtomIntelチップセット内蔵グラフィックという、3〜5万円程度のマシンだと、まともに動かない。一秒一コマ動くかなーという感じ。チャットなんかした日には、キーを叩いてから文字が表示されるのに待たされるといういまどきめったにない体験をするハメになる。
GeForce9400M搭載機とかを基準にしてるのかなー。

右も左も広告だらけ

 ブーム当時はSecond Lifeには、ユーザー規模に見合わないほど多くの企業が参入しており、企業がPRのために作った広告SIMが数多くあった。だが今はほとんどの企業が撤退しており、広告SIMは減っている。

企業の撤退のせいで広告が減ったって感じじゃないです。というか、広告用の企業SIMを指して「右も左も広告だらけ」って言うかなあ。企業SIMは見に行かなければ気にならないし、見に行くときはその企業の情報を見たいわけだから、それ自体なんの問題でもない。広告といえばメインランドの景観を著しく損なってた林立する広告塔だったと思うのだけど。あれについてはリンデンラボが規制したのでとてもすっきりしました。

人気の場所はエロかギャンブル

 2年前は、アダルトコンテンツとギャンブルが人気だったが、現在はギャンブルは禁止され、アダルトコンテンツは規制が入ったため、これらのコンテンツはなくなるか、目立たなくなっている。

えーと、これだけじゃ、人気の場所がなくなったとしか読めないんだけど。
代わってなにが人気のコンテンツになったのか、そのへん調べたほうが記事として面白いと思う。日本関係のSIMではダンスやDJが結構もりがってるので、そのへんを調べてみてはどうだろう。バンドやDJが頼まれてあちこちのクラブやSIMのステージを使ってイベントをやる動きは、以前からあったけどここ一年かなり増えている。

気になったコメント

このITmediaの記事へのはてブコメントでちょっと面白いのがあった。

id:FTTH # |ω・)…… Pixiv連動で「オンライン路上の絵売り」とかやったら絵的には面白いかもなw

これ、普通の方法では難しい。SL内でスクリプトを使って外部のウエブサイトにアクセスすることは出来なくはないけど、テキスト以外のデータは取り込めないし、ページの容量が2kBを越えると失敗するというひどい仕様なのだ。つまり外部ウエブサイトから画像データをコピーすることはできない。SL内で画像を表示するためには基本ユーザーが手動でテクスチャデータとしてアップロードしなければならず、この際10L$(約4円)の手数料がかかる。

方法としてはBotをプログラムで操作して、お客に選んでもらった画像を自動的にPixivからダウンロードし、SLにアップロードして10L$プラスなにがしかの儲けを載せてお客に売るというのが考えられる。ただし、Pixivにあがっている画像をお客に任意に選ばせるところまで考えると技術的にさらに厳しくなる。ていうか、お客は自分でPixivにアクセスすれば無料でダウンロードできるということに気づくだろうから、ほとんど「絵売り」としては意味がないねー。まあ、確かに絵的には面白い。