blogとはWeblogの略である。そして日本の日記サイトが駆逐された。

 そろそろ忘れ去られているが、blogはもともとWeblogと呼ばれていた。logとは日誌、記録という意味であり、コンピューターが民間に普及する以前から、業務日誌などの呼称に用いられていた言葉だ。僕に関係する話で言えば、アマチュア無線家の交信日誌もlogと呼ばれていた。WebのlogだからWeblogなのだ。

 

 Weblogの初期の普及は、BloggerMovable Typeであろう。Bloggerは、パイララボが運営していたレンタルブログサービス。のちにGoogleに買収された。Movable Typeは、シックス・アパートが開発したブログソフトウェア。Perlで書かれていた。

 

 Blogが普及するのは1990年代末からで、この時代、日本では日記サイトがすでに普及しており、blog台頭期には、「えー?なにそれ意味わかんない、日記でしょ?」とみなされていた。日本ではtDiaryのような日記システムが普及し、独自の日記サイト文化が花開いていたのだ。当時日本の日記サイトにないblogの特徴は「トラックバック」という言及システムだった。これはblogがWeb上の情報を引用して制作されるという特徴を備えていたことから、blogの必須機能とされていた。要するに、あるblogの記事に対してトラックバックメッセージを送り、自分の記事を作成すると、元のblog記事に、「この記事に言及してるサイトが有るよ」とリンクが貼られる仕組みである。これは日本の日記システムでは全く産まれなかった。ある意味blogの最大の特徴と言えるシステムである。

 しかし最近だとあんましトラックバックは有効利用されなくなっている。これはある時期から、SPAMサイトがむやみにトラックバックを飛ばして自分のサイトに誘導する事例が増えてしまい、トラックバックSPAMみたいな雰囲気ができてしまったことによる。

 

 Bloggerは一つのレンタルブログサービスで、スクリプトの公開もなかったので、相当流行ったにも関わらず、blogの発展からは取り残された雰囲気がある。Movable Typeは、blog普及期にすごーく流行ったのだけど、確かバージョン3になるときだったか、商用に使うなら高額なライセンス料払う仕組みを入れてきて、一気にシェアを落とした。僕もMovable typeでサイト作ってたけど、この有料化のときに、貧乏なエロ漫画家のサイトが「漫画家の公式サイト」という商用サイトにあたるかもしれないということで、MTの使用をやめなければならないとなくなく使用を諦めた覚えがある。プロ漫画家といってもそうそう会社が払うような金額を払えないのよ。

 

 Movable Typeが使えなくなった時期、無料で使えるブログソフトを調べたけど、当時のWordpressは見た目も使い勝手も悪かったので、一旦Drupalを使うことにした。ただこれも使いにくくてさあ。その後結局Wordpressのデフォルトテーマが綺麗になって、固定ページなどのCMS要素も使えるようになったから、Wordpressに再度かえたんだよね。