どうでもいい話だが

昔「兜十蔵ってものすげー悪役面してるし、孫にいきなり『神にも悪魔にもなれる』なんてたきつけてるし、絶対昔ドクターヘルの仲間だったに違いないぜ、だいいち顔がそっくり」みたいなこと言ってた知人が、真マジンガーの第二原画やってた…今後もやるのかな?

ちなみに僕はTV派で、兜十蔵はわりとおだやかな老博士の印象だったので、一応あとから漫画版のすごいキャラは知ったけど、いまいちぴんと来なかったものだ。漫画でも顔が怖いのをギャグにしちゃってるし。

ちなみに映画「マジンガーZ対暗黒大将軍」の「マジンガーZ!これを使え」ってグレートが剣を渡す展開、TV版だとないんだよね。ていうかグレート登場時点でZの両腕使えなくなってるし。全く戦闘獣に手も足も出ないっぷりはTVの方が強烈。映画と違ってテレビだとたった二体の戦闘獣にコテンパンだし。グレートの圧倒的な強さを見せ付けて主役交代をスムーズに進めるという目的上は、TVの方が納得できるのかな。

ちょっとyoutube東映アニメーションの有料配信でマジンガーZグレートマジンガーのところどころを見直してみたんだけど、おもしろいなww
上述のマジンガーZ最終回も映画版みたいにむりやり兜剣蔵博士に謎の預言者とかやらせてない分違和感はないし。中盤のあしゅら男爵が死ぬ回とかかなりよくできてる。ゴーゴン大公が思わず復讐を誓うほどにあしゅらがいいキャラになってるし。

子供の頃、グレートの登場と新番組への移行にはかなりわくわくした覚えがあるんだけど、実は大人になってふとグレートの主題歌すら覚えてなかったことに愕然としたんだよね。ドクターヘルの機械獣に変わって、ミケーネの戦闘獣が敵になったってのは覚えてたんだけど、どうも細部が思い出せない。「暗黒大将軍なんていたっけ?」ってくらい、ミケーネの幹部連中も覚えてなかった。グレートの後半ドクターヘルが死神大元帥として復活するってのも完全に忘却の彼方だったし。一応Zのときはあしゅら男爵、ブロッケン伯爵はもちろん、ピグマン子爵も名前の記憶だけはあったんだけどね。

グレートの終盤で兜甲児が戻ってくる展開、科学要塞研究所が襲われて大ピンチ。もうバリアも破れて敵要塞の攻撃でボロボロになって傾いてる段階で弓教授がアメリカの甲児に電話で「飛行機をチャーターして戻ってくれ」

えええええ?
すごいです。普通の飛行機でアメリカから日本までやってきて、富士の裾野にパラシュート降下し、光子力研究所から出撃して科学要塞研究所を救っちゃいます。一体何時間頑張ったんだ科学要塞研究所。

しかし、マジンガーZではミケーネの戦闘獣に手も足も出なかったはずなのに、とくにを改良したとかいう話もなく最終回まで戦って、光子力ビームで戦闘獣を撃破したりしてるんだよね。漫画版では装甲を超合金ニューZにしたりとか、マジンガーZ強化の説明も少しあったんだけど。

ITMediaの記事:「Second Life“不”人気、7つの理由」を改めて検証する


微妙な記事

えーと、微妙に誤解を招きそうな部分がいくつか…

「3Dアイテムを制作するなど重い処理をしない限り、Netbookでも問題なく動く」と米Linden Labの日本担当責任者ジェイソン・リンクさんは話す。

NetBookってもいろいろあると思うけど、少なくともAtomIntelチップセット内蔵グラフィックという、3〜5万円程度のマシンだと、まともに動かない。一秒一コマ動くかなーという感じ。チャットなんかした日には、キーを叩いてから文字が表示されるのに待たされるといういまどきめったにない体験をするハメになる。
GeForce9400M搭載機とかを基準にしてるのかなー。

右も左も広告だらけ

 ブーム当時はSecond Lifeには、ユーザー規模に見合わないほど多くの企業が参入しており、企業がPRのために作った広告SIMが数多くあった。だが今はほとんどの企業が撤退しており、広告SIMは減っている。

企業の撤退のせいで広告が減ったって感じじゃないです。というか、広告用の企業SIMを指して「右も左も広告だらけ」って言うかなあ。企業SIMは見に行かなければ気にならないし、見に行くときはその企業の情報を見たいわけだから、それ自体なんの問題でもない。広告といえばメインランドの景観を著しく損なってた林立する広告塔だったと思うのだけど。あれについてはリンデンラボが規制したのでとてもすっきりしました。

人気の場所はエロかギャンブル

 2年前は、アダルトコンテンツとギャンブルが人気だったが、現在はギャンブルは禁止され、アダルトコンテンツは規制が入ったため、これらのコンテンツはなくなるか、目立たなくなっている。

えーと、これだけじゃ、人気の場所がなくなったとしか読めないんだけど。
代わってなにが人気のコンテンツになったのか、そのへん調べたほうが記事として面白いと思う。日本関係のSIMではダンスやDJが結構もりがってるので、そのへんを調べてみてはどうだろう。バンドやDJが頼まれてあちこちのクラブやSIMのステージを使ってイベントをやる動きは、以前からあったけどここ一年かなり増えている。

気になったコメント

このITmediaの記事へのはてブコメントでちょっと面白いのがあった。

id:FTTH # |ω・)…… Pixiv連動で「オンライン路上の絵売り」とかやったら絵的には面白いかもなw

これ、普通の方法では難しい。SL内でスクリプトを使って外部のウエブサイトにアクセスすることは出来なくはないけど、テキスト以外のデータは取り込めないし、ページの容量が2kBを越えると失敗するというひどい仕様なのだ。つまり外部ウエブサイトから画像データをコピーすることはできない。SL内で画像を表示するためには基本ユーザーが手動でテクスチャデータとしてアップロードしなければならず、この際10L$(約4円)の手数料がかかる。

方法としてはBotをプログラムで操作して、お客に選んでもらった画像を自動的にPixivからダウンロードし、SLにアップロードして10L$プラスなにがしかの儲けを載せてお客に売るというのが考えられる。ただし、Pixivにあがっている画像をお客に任意に選ばせるところまで考えると技術的にさらに厳しくなる。ていうか、お客は自分でPixivにアクセスすれば無料でダウンロードできるということに気づくだろうから、ほとんど「絵売り」としては意味がないねー。まあ、確かに絵的には面白い。

オマージュとかパロディとかキリストとかデスノートとか

コードギアスのサクラダイトは、あきらかにマジンガーZのジャパニウムのオマージュだと思うのだか、さすがにこのへんはググると沢山言及してるページが見つかる。ところでジャパニウムについては、最初のTVシリーズで言及してたっけ?

ググっても出てこないので僕の妄想かしらって思うのが、デスノート(原作)のラストはキリスト教発生のパロディなんじゃないかってこと。キラ=夜神月が活躍してた期間、あきらかに世界は影響を受けていたが、死んだあとは以前の日常に回帰している。そんな形でストーリーを閉めた後、キラを崇拝するカルトの様子が描かれて終了。

キラカルトは、あきらかに死んだキラを神として崇拝しているわけで、これは死んだイエスを神に祀り上げたローマ時代の初期キリスト教徒を髣髴とさせる。

イエスの活動と死については、なにしろ新約聖書以外にほとんど資料が存在しないので、実体を知るのは難しいのだか、とにかくローマに支配されたユダヤで従来の価値観を覆すような教えを説き、おそらく30前後で処刑された人なわけだ。ナザレのイエスという人物が神の子でメシアと自称し、ユダヤの支配者層によって告発され、ローマの提督によって処刑される(新約聖書学的には、イエスが自らメシアと自覚して行動したかどうかは微妙なところだが)。
結局イエスの活動は当時のユダヤにおける宗教的分派の一種として歴史に埋もれるはずだった。ところが彼をメシアとみなした信者達は、「死んだメシア」というウルトラCで信仰を保つことに成功する。旧約聖書をあさって、イエスがメシアであり、メシアは一度死んで蘇るという教義を正当化するわけ。おそらくその過程で実際のイエスの言動とは関係ない要素もイエスが行った奇跡の一覧に加えられたはず。

キリストカルトはやがてキリスト教になり、最終的にローマ帝国の国教となり、実に21世紀にいたる西欧文明の基盤になる。

もしデスノートの原作者がそれをネタにしていたとしたら。あのデスノートのラストは、一旦キラ以前の日常に戻った世界が、やがて理想化されたキラのイメージを持つ宗教に支配される未来を暗示していたのかもしれない。

考えすぎかなあ。どうですか?大場つぐみことガモウひろし先生。僕の読みは外れてます?ついでに聞きたいんだけど、バクマンの真城最高のおじの川口たろうって、ガモウひろし先生自身がモデルっぽいけど、おじさんが死んでるのはドラマ上の都合だけ?それとももうガモウひろしとして作品を発表しないという意思表示?

谷村新司がおかしなことを言っている

ある日曜日、仕事をしながらラジオを聞いていたら、「谷村新司・まあるい日曜日」という番組が始まった。どうやらその日はこれまでの番組で話したトークの内容を要約して放送するという回だったらしい。ところが、聞いているうちになんだか頭が痛くなってきた。

しょっぱな義経=ジンギスカン説を熱く語る谷村新司。まあ、このあたりはよくある話で、ああ、いまさらだけどはまったのね、ですむ感じだったのだか、番組後半「音とは」って話になった。要約すると以下のような内容。

「音」という漢字は、「日」の上に「立」と書く
「日」は太陽
「立」という字は立ち上がる、生まれてくるという意味。
太陽が生まれてくるという字が「音」の意味。なぜ太陽が生まれるという字が「音」なのか、これを解く鍵は「ドレミファソラシド」の中にある。
「ソ」=「ト」=「G」
ソの語源はSOL=太陽、つまり「ソ」は太陽の音。
そして、「ソ」の下にある「ドレミ」は地球の音。
「ド」=土、「レ」=火の音「ミ」=水の音
地球上にどうやって火と水と土ができたか、それが最大の「日(ひ)水(み)土(つ)」=秘密。
「ファ」は地球(ドレミ)と太陽(ソ)の間で揺れている音。すなわち風の音。
「シ」=「死」=「無」日本語では「シ」の音を「虚無」という。英語で言うとVoid。虚無は形がない、しかし「シ」は上の「ド」に繋がる。「ラ」は宇宙の音であり、宇宙を突き抜けていくと虚無になる。しかし、そこから上の「ド」=土に返る。音階は人間そのものをあらわしている。

そして音階は人間の体にも入っている。
「ド」は股の間。
「レ」は丹田、エネルギーのたまり場所「火」を担当している。
「ミ」は水のエリアなので子宮。
「ファ」はみぞおち。みぞおちは「風門」とも言う。
「ソ」は心臓=太陽
「ラ」は喉、すなわち声。

つまり声は宇宙と同じ。だからクラシックのチューニングで「ラ」を使う。このことは音楽大学の先生も知らないが、実は「ラ」は人間の声に楽器をあわせ、宇宙につなげるという行為。

いまこうしてラジオで放送しているが、ラジオの選曲をチューニングという。クラシックのチューニングも同じ。どちらも波動を合わせるという事。
「シ」は松果体
松果体は頭蓋骨の中にある小豆大の器官だが、もともとは眼球と同じ大きさで水晶体もあり、その目は頭のてっぺんを向いていた。これがマンガなどで描かれる「第三の目」。
上の「ド」はどこにあるかというと、頭の上13cmに浮いている。これをあらわしたのが、宗教画に出てくる「天使の輪」

ドレミファソラシドを数えると8。8という数字は大きな意味を持つ。単に縁起がいい数字というより重要な意味がある。一オクターブ上にあるドの世界が8から広がる。

渦巻きと音には大事な関係がある。
ト音記号がなぜ渦を巻いているか。銀河も太陽系も台風も渦潮も、自然のものは渦を巻いているエネルギー。超古代の土器の表面についている文様は、古いものは必ず渦巻きの模様。

我々は自然の渦巻きのエネルギーを体の中の渦巻きでキャッチする。
一番上にあるのが「つむじ」
下に下がると耳の中に蝸牛官という渦巻きがある。
手の先には指紋という渦巻きがある。
へそにも渦がある。
赤ちゃんが出てくるときも渦を巻きながら降りてくる。まっすぐは出てこない。
おしっこも回転している。
これらの渦巻きで、ぼくらは宇宙からの渦巻きを全部キャッチしている。だから体の中も音で出来てる。

歌や音楽を聴いたときに鳥肌が立つのは、体が自分の意志と関係なく共鳴しているものがその音楽の中にあり、それが鳥肌や涙になって出てくる。

つまり人間とは音そのものである。

いただいたお便りで共感したもの。人間のことを英語でパーソンというが、この語源はラテン語のペルソナである。ペルソナ=ペル(貫き通す)+ソナ(響く)であり、人間とは貫き響くものである。

ポッドキャストで聞けます。いくつか表示されますが、問題の回はこれです。

宮城県、エクシングワールドのビズインターナショナルを悪質な業者として公表

宮城県、条例に基づき不適切な連鎖販売取引を行った業者名を公表(THE SECOND TIMES)
http://www.secondtimes.net/news/japan/20090403_xi.html

以前書いたエクシングワールドについてのニュース。宮城県では被害を訴えた消費者のほとんどが20代前半の女性だったそうな。

以前他で見聞きした話では、引っかかってるのは中高年層のPCに詳しくない人、主婦層などだったのだけど、大学出たての若者を狙うってのもこの手の商売の常道ではある。

  • 「かならず成功する」と告げる
  • 友人を配して断りにくい雰囲気を作る。
  • 誰かに相談するというと「自分で決めなきゃダメ」とごり押し
  • お金がないというと消費者金融の利用を進める

ブログなどの記事としては見ていた話だが、行政が認定した意味は大きい。これらの行為は特商法に完全に違反している。しかも県が指導したにもかかわらず改善されなかったというのであるから、会社の責任はあきらかだ。

ただし、ビズインターナショナルという会社は資本金1000万円、レンタルオフィス使用と、非常にダミー会社っぽいので、ここが摘発されたとしても、お金が全ての被害者に戻るのは難しそうだ。三つの会社が絡み合った複雑な図式になっているのだけど、neoneo ealesさんがわかりやすい年表を作ってくださったのでそちらを見て欲しい。

前にも書いたけど、エクシングワールドという仮想空間は、ユーザーが嫌がる仕様の塊である。プレメンバーにアメを与えるため、ユーザーがどんどんお金を払う仕組みを作らなければならなかったとしか思えない。したがって仮想空間としてとても成功するとは思えず。運営が本気でこの事業を起こそうとしているとは思えないのだ。つまり「成功するはずのない仮想空間」というダミー商品を使った実質的なネズミ講ではないかという事だ。

プレメンバーに登録してしまった人は、できるだけ早く消費者センターなどに相談し、解約したほうがいいと思う。不実告知の事実などがあった場合はクーリングオフ期間を過ぎていてもお金を取り戻せる可能性は高い。

セカンドライフとその他のメタバースの違い

なんといっても自由度の高さがセカンドライフの特徴だったりする。運営会社のリンデンラボは実はシステムと土地を提供しているだけ、まれにイベントなども打つが、ほぼほったらかしである。しかしインワールドには無数の建物が並び、商業取引も盛んである。それらはほとんど例外なくユーザーによって作られたものだ。
セカンドライフのビューアには基本的な3Dモデリング機能がある。これは立方体や球体などのプリミティブを、拡大縮小したり切れ目を入れたり組み合わせたりという、モデラーとしてはきわめてシンプルなものなのだが。その操作性はなかなかいい。カメラ操作は通常のアバター操作の一環としてスムーズに行えるし、余計な機能がない分気楽で楽しい経験なのだ。
簡単な家くらいなら内蔵モデラーで十分作れてしまう。
ちなみに外部のモデラーで作成した複雑な形状を読み込むことも可能だが、結構敷居が高いので初心者には難しい。

さらに、作り出した3Dオブジェクトには、簡単にプログラムを組み込む事が出来る。移動、回転、音を出す、変形させるなど、できることは多い。チャットを喋らせたり、IMを送ったり、外部サイトのHTMLをリクエストするなんてことも可能だ。その方法はオブジェクトを「編集」モードにして、タブから「コンテンツ」を選び、新規スクリプトを作成すればいい。LSLというイベントドリブンのスクリプト言語が用意されていて、非常に使いやすい。

「コンテンツ」という項目があるという事は、つまりオブジェクトにはオブジェクトを入れられるという事だ。衣装や面白アイテム、車、テキスト、スクリプト、なんでもオブジェクトに入れられる。オブジェクトを入れたオブジェクトを入れたオブジェクトなんてのも作れる。LSLでコンテンツの中身を外に出したり、タッチした人に渡したりということも出来る。異常に柔軟性の高い仕組みだ。

オブジェクトのプロパティには「販売」のチェックボックスがある。これにチェックして値段を設定すれば、ただちにそのオブジェクトは売り物になる。そのオブジェクト自体を売ってしまうか、コピーを売るか、中身を売るかといった設定も出来る。

さらに面白いのは、クリエイター保護の仕組みだ。
アイテム作成者は、次のオーナーの権限を設定できる。その内容はコピー可、変更可、転送可の三つだ。
コピー可に設定されたアイテムを買った人は、自分の持ち物のなかでいくらでもそのアイテムをコピーできる。木を一本買ったら、家の周りに複製していくつも置けるわけだ。
変更可のアイテムを買った人は、自分でそのアイテムを改造できる。衣装のたけが合わないとか、ライトが明るすぎるとか、そういう部分を自分の好みに変えられる。
転送可のアイテムを買った人は、それを他人に譲渡できる。

コピー可かつ転送可であれば、譲渡してもオリジナルは残るが、コピー不可で転送可なら、ほんとに他人にあげてしまって手元には残らない。

この三つの権限を設定できる仕組みは実に優れたものだ。これによって、SL内での商売が可能になるといってもいい。

このように、土地だけ提供して物づくりのしくみを組み込んだセカンドライフでは、建物の中と外には実は何の違いもない。てくてく外を歩いてドアを開け、そのまま中に入るという形になる。ほかのメタバースでは多くの場合、町の外観と建物内は別空間になっている。建物の前に立ってドアをタッチすると、室内データをロードして、画面が切り替わり、建物の中に入るというパターンである。もちろんそのほうがレンダリングは軽くなるはずで、SLがあのグラフィックで重いといわれる理由の一つではあると思うのだが、建物の外と中でいちいちモードが変わるのと、そのまま中に入れるのと、僕にとっては楽しいのはセカンドライフのほうだ。こっちのほうがより仮想空間に入っている気持ちになれる。

ところで、多くのユーザーにとっては物づくりも商売も興味のないものだと思う、その場合SLとはチャットであると要約される。見ず知らずの人と出会ってコミュニケーションを楽しむ場だ。そうして仲間が出来、世界観が広がっていく。そのためにこれほどの3D世界が必要なのかという疑問は当然湧くだろう。実は3Dチャットに絞ったメタバースも各種存在する。アバターが部屋や自宅を持ち、そこに人が訪れ、コミュニケーションを楽しむ。町はなく、建物ごとに空間が独立した仕組み。これはSLのような世界を作らず、コミュニケーションに絞って成立させたものだ。しかし、それらはなにか壁を感じる。SLの場合、最低単位は256m×256mの「リージョン」で、多数のリージョンが結合した大陸もある。この、世界が広がっている感覚が必要なんじゃないかと思うのだ。

部屋単位の3Dチャットは、チャットを立体で見せてるというイメージが浮かびやすい。テキストベースのチャットシステムに3Dの皮をかぶせただけと感じてしまう。それに大してSLのようなメタバースは、まさに歩いて出会った人とコミュニケーションしている没入感が得られやすい。体験としてなんかリアルなのだ。

もちろん、ある地点から別の地点へワープしたり、飛行機もなしで空を飛んだり、リアルな世界とは違う簡便性もあるのだが、それは世界を台無しにはしていない。SLにはまった人はむしろリアルな世界でコンビニに行くのに「なぜ空を飛べないんだ」と思ってしまう(笑)。

meet-meなどは、あえてテレポートや飛行ができないようにしたという。テレポート可能にしてしまうと、一部人気スポットに人が集まってしまうからだと。しかし、電車やバスをいちいち使うのはめんどくさいし、結局それらの集中する渋谷とか新宿以外は人が集まらないのだから、意味がない気がする。

後発のメタバースは、エロを排除して企業が参加しやすい環境をというのがパターンになっている。セカンドライフ=エロというイメージがあるのだろう。しかし、仮想環境ってのは、環境であり、入れ物なのだ。排除するのではなく、受け入れた方が面白い。セカンドライフにはラブホテルもストリップ劇場も戦場もある。なにしろユーザー任せだから、なんでもできてしまうのだ。ただし、エロやバトル関係は成人向けエリアでしか運営できない。リージョンごとにPG(一般向け)とMature(成人向け)の区別が設定されているのだ。一般企業はPGエリアで営業すればいいのである。たとえばWebにはエロもあるが、だから一般企業がWebサイトを作らないという事があるだろうか。

もちろんセカンドライフは完全に自由な場所ではない。かつてはそうだったかもしれないが、現実世界との葛藤があり、徐々に出来ないことも増えてきた。代表的なのがカジノ禁止と児童アバターでのセックス禁止、あと銀行業務の禁止がある。

カジノはかつてセカンドライフの経済を支えていたといってもいい。それは大量の通貨を集め、還流させていた。しかし、もちろん大損する人も多いし、SLの通貨がリアルマネーとの相互交換可能なものであるため、法的にも問題になった。FBIが調査を始め、最終的に運営会社のリンデンラボはカジノを禁止した。
児童アバターのセックスは、当初中身が成人である限り(セカンドライフに入れるのは原則18歳以上である)「エイジプレイ」として容認されていたが、ドイツのテレビ局が児童アバター同士のセックスをすっぱ抜き、問題とされた事がきっかけで禁止されることになった。
銀行業務はについては、だれでもそのような事業を始める事ができ、ありえない高い利息をつけて通貨を集める事例が頻発。年利40%なんて例もあった。ほとんど詐欺かネズミ講である。結果的にこれも禁止され、各国で正式に許可された銀行以外はSLで銀行業務を行うことは禁止された。

ちなみに、セカンドライフRMTを公式に行っている。SL内で使う通貨がリアルマネーで買えるのは当然だか、溜まった通貨をリアルマネーにする仕組みを公式に提供しているのだ。これはPayPalを通して行われる。そのため、セカンドライフでは、アカウントを作った段階でもらえる通貨は存在しない。基本的に持ち金ゼロのスタートである。有料アカウントを取れば毎週300L$のお小遣いがもらえるが、これはもちろん払った会費以下である。
RMTが認められてるからといって、そうそう儲かるものではない。SLの物価は安いし、リアルマネー換算で生活できるほど儲ける人は一握りだ。物を作ったり商店を経営する人たちも、ほとんどはSL内で消費する分を稼ぐという範囲だろう。

そう割り切って遊ぶ分には、セカンドライフは今でも十分楽しめると思う。というか、もっと人増えて、お願い(笑)。

2009/5/29追記

2009年6月から8月を目処に、セカンドライフではMatureとPGの区別に加え、Adultカテゴリを新設することになった。フリーセックスといった性行為を公開する場所、流血、四肢切断など強い暴力表現のある場所はAdult指定となり、パスポートや運転免許で年齢認証するか、クレジットカードを登録しない限り入場できなくなる。これに伴い、SL活動の中心的レーティングはMatureとなり、PGは公共機関、教育機関、一般企業が猥雑な情報から隔離されて活動するための場となる。これまでPGエリアでお酒を提供するバーなども経営できたが、飲酒、ドラッグ、いかなるヌード表現もPGでは禁止となる。

エクシングワールド

仮想空間に優先的に土地を取得する権利を得られるプレメンバーになりませんかという宣伝。

なんでこれに引っかかるのかと思うくらいあからさまに詐欺っぽいのだけど、インターネットやオンラインゲームといったものに詳しくない主婦や老人が結構はまってるらしい。
まあ、電通が一時期セカンドライフをプッシュしていたおかげで、Webの次はメタバースだってな一部企業の皮算用があって、さまざまな仮想空間ができつつあって、そのうちいくつかは長く残っていくのかもしれないなーってところだけど。そのへんのメタバース業界の、のちに記録されるであろう歴史の中では完全に闇に葬られそうなエクシングワールドである。

上の宣伝ビデオを見れば分かるのだが、全くなにひとつユーザー視点でいいことがないのだ。いや、画面が綺麗とか、日本人に親しみやすいアバターとか、そういう通り一遍の宣伝はあるのだけど(それが実現できるかも怪しいと思っているが)、ひたすら謳いあげるのが、一般ユーザーがいかにお金を使うかの説明。いわく、活動するだけでエネルギーが減るので有料で食事を取る必要がある。必ず住居を定めなければいけないので不動産業がもうかる。移動に使う交通機関などのインフラ使用料はプレメンバーに還元。

つまり。一般ユーザーは動くだけで金を取られ、住む場所の家賃として金を取られ、電車を使うたびに金を取られるということだ。こんな条件でだれが遊ぼうと思うだろう。
ちなみにプレメンバーになるための費用は40万円弱である。

エクシングワールドをとりあげた「さんたのブログ」ではプレメンバーと否定派が入り乱れてかなり盛り上がっている。
http://santa21.air-nifty.com/blog/2008/03/xing_world_f377.html
http://santa21.air-nifty.com/blog/2008/12/post-86fb.html

いろいろ調べてわかるのは、これはマルチ商法であり、プレメンバーが知り合いを勧誘して、自分の下位のプレメンバーが納めた40万のうちいくらかを得ることで利益を得るのが主目的になっているという事だ。となると実は仮想空間、エクシングワールド自体は成功しようがしまいが関係ないという事になる。ただしそれを公に言ってしまうと、特定負担の対象が実在しない、すくなくとも成功は見込めないことになり、連鎖販売取引(マルチ)というより無限連鎖講(ネズミ)に近いということになってしまう。

オープン後の土地収入を当てにしているプレメンバーと、実質ネズミ講的なマルチの部分で稼ごうとしているプレメンバー、はたしてどっちが多いのだろうか。

もちろん、エクシングワールドが大成功を収め、プレメンウハウハ、一般ユーザーも素敵な仮想空間で遊べてハッピー、となる可能性もゼロではないので(僕個人はとてもありえないと思うのだが)、絶対詐欺だからやっちゃダメとはいえない。そこが上手いのかな。