ビスインターナショナルに業務停止命令

消費者庁エクシングワールドのビスインターナショナルに業務停止命令を出した。報道各社が伝えているが、消費者庁のHPに具体的なニュースリリースがある。
http://www.caa.go.jp/trade/pdf/091127kouhyou_1.pdf

ビズ社はすでに連鎖販売を終了しているので、この処分は実のところあまり実効的ではないが、だまされたプレメンバーに多少の影響を与えることができるかもしれない。エクシングワールドのマルチ展開を実行していたのはビズ社だが、これは名目上「仮想空間の初期メンバーを集めるためのネットワークビジネス」で、初期メンバーを集めたら終了と前々から表明していた。

ただし、今回消費者庁は処分対象とはしていないものの、ビズ社と組んでエクシングワールドを推進していたIDRとフレパーネットワークスの社名公表に踏み切っている。どう考えてもエクシングワールドの事業で最大の利益を受けているのはフレパーであり、万年赤字のフレパーがダミー会社を作ってマルチで金集めをし、そことの取引という形で利益を得たように見えるのだが、表向きは無関係ということになっていたので、これは快挙ではないだろうか。

資料の中に

また、フレパー社の代表者は、ビズ社が平成20年11月2
9日に開催した「TOPリーダー会議昼食会」等において、「今
やればマーケットは必ず取れる。我々の開発力、IDRの開発
力、そして皆さんの販売力を足して、天下が取れないはずがな
い。」等と告げていました。

とあるように、完全にズブズブの関係である。いまさら無関係ですとは言えまい。しかし、その天下を取る技術力、開発力で出てきたのがあのPHANTOMとは……外部のMMOエンジンとサンプルソースを改造して「はいできました」という代物のどこに技術力があるのだろう。

当初の話では、プレメンバー10万人を集め、それぞれやりたいお店なり賃貸物件を建築し、町を作り上げて一般ユーザーを迎え入れ、たくさんお金を使ってもらって配当でウハウハだったはずだ。そしてXP以上のそこらのパソコンなら快適に利用できる。なぜなら全国3000台のフレパーのコンビニ端末が分散サーバーとなって画像をサーバーサイドでレンダリング、手元に送ってくるから。Youtubeを見るようなものだと言ってた。

さて、これを実現するとしたら、万単位の新規オブジェクトを仮想空間で構築することになる。店舗の改装や移転などもあるだろう。そうすると基本的にデータはサーバ側で持ち、随時送信されて表示される仕組みでないと難しい。しかし、出てきた物は町のデータがすべてクライアント側にあってそれを読み込んで表示する巨大なプログラムだった。もちろんサーバーサイドでレンダリングなんて全くこれっぽっちもない。これでは町のなかに新しいお店を建てるたびにクライアントのアップデートが必要になる。

あの仕組みでは、エクシングワールドのうたっていた内容は提供できないのだ。