タバコのCMは総じてかっこよかったが、たまに…

 タバコのCMが禁止される以前、タバコ会社はなかなかカッコイイCMをよく流していた。まああれは確かに「タバコ=カッコイイ」のイメージが出来てしまうと思うので、世界的に喫煙が排除される時代に禁止されていったのはしょうがないと思う。

中でもフィリップモリス社の「ラーク」は、スパイ映画をイメージさせるCMで、最後に「Speak Lark」という決め台詞を定着させる一連のシリーズを作成した。俳優は当初ジェームズ・コバーンが努めたが、後にロジャー・ムーアティモシー・ダルトンといった、007役者が演じているところも見逃せない。ちなみにジェームズ・コバーンは007ではなく、007ブームに便乗して作られた「電撃フリントGO!GO作戦」というスパイ映画の主役をやっていた俳優である。ジェームズ・ボンドとフリントの違いは、007は毎回ボンドガールがだいたい一人なのに対し、フリントはやたら作中で女に囲まれてるというハーレム体質のスパイであるあたりだろう。ラークのCMはどちらかと言うと007風なので、後に007の俳優に交代したのもわかる。

 

 

 ニコニコ動画にあったラークCM集だが、全体にあとになるほど豪華になっていくような印象はある。実はこれらの前に、妙にダサく感じるCMがあったと記憶しているのだが、これは動画サイトを回っても見つけることができなかった。

 

 内容を思い出して書いてみると、室内セットで撮影されており、ジェームズ・コバーンが一人でゆっくり歩きながら画面に向かってセリフを言う。

「James Coburnデス。マロヤカナ、アジトカオリ、ノ、イイコトバ、ソレハLark。Speak Lark」

 日本語である。なぜ吹き替えもしくは字幕にしなかった!非常にたどたどしい日本語で宣伝文句を語るジェームズ・コバーン。なんともかっこ悪かった。キリッとした背広姿で、歩くポーズもカッコイイのに台詞が台無し。

 いやBOSSの宇宙人ジョーンズことトミー・リー・ジョーンズもCM中で日本語語ったりしてるけど、あれは日本でいろんな職業を体験する宇宙人を演じているのであって、「この惑星の◯◯は…」っていう心の声は渋くカッコイイ吹き替えが当たってるし。

 

 多分この、ジェームズ・コバーンが日本語で宣伝するCMは、不評だったと思う。まもなくドラマ仕立てで最後に「Speak Lark」って言うだけのシリーズになったから。