レディボーデンとアイスケーキとバタークリームケーキ

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1970年から1980年代頃に発売していた、クリスマス前ぐらいになるとCMをしていたらしいケーキみたいなアイスを知ってる方がいましたら教えてください。

2年前のYahoo知恵袋で、結論が出ていないのだが、これ、多分レディーボーデン
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最初の質問で「ケーキみたいな」と言うので、ピエネッタ等デコレーションしたものを想像するが、補足で「丸いカップアイスっぽいものらしい」と付け足されてるので、これで間違いあるまい。

 レディーボーデンは、日本で高級レストランのような場所で提供されるものではなく、一般に販売されるプレミアムアイスクリームとしてはおそらく最も早い時期の商品だ。1970年代当時、庶民が食べられるアイスは、スーパーや駄菓子屋で売ってる50円程度のカップアイスで、これは乳脂肪分の高い「アイスクリーム」ではなく、「ラクトアイス」だった。レディボーデンは本格的なアイスクリームで、500mlの大きなカップで販売され、価格も高かったので、クリスマス等に一つ買って家族で分けて楽しむ贅沢として販売されていた。まあ、いまでいうハーゲンダッツみたいなものだけど、当時あのようにコクがあるなめらかな「アイスクリーム」はなかなか庶民の口に入らなかったのだ。

 で、この質問の「ケーキみたいな」という部分で思い出したのだけど、クリスマスケーキで一時期「アイスケーキ」というのが流行ったことがある。つまりホールケーキのデコレーションクリームが、アイスクリームでできているものだ。当然冷凍庫必須で、販売時はドライアイスを入れていたと思う。これが流行ったのが、レディーボーデンの流行と関係してるのか、どっちが先なのかも覚えていないのだが。アイスケーキの流行は、多分数年と持たず廃れていったと思う。やはり取扱いが面倒だったのだろう。

 アイスケーキの流行前のクリスマスケーキは、バタークリームケーキだった。バタークリームは、泡立てた卵白とバターを混ぜ合わせたもので、1970年代のデコレーションケーキは、主にこれを使用していた。バタークリームは、生クリームより固く、形を保てるので、バラの花のような精巧なデコレーションができ、保存性も良かったので、使われていたのだ。ただ、主成分がバターであるので、油っこく、二切れも食べると胃がもたれ、吐き気を催す禁断のケーキでもあった。

 多分バタークリームから、アイスケーキへの流行は、そういうものもあったのではないかと思うのだが、アイスケーキは一時の流行で終わったので、その後はまたバタークリームに回帰したんじゃないかなあ。1980年代のバブル前後に、デコレーションケーキはホイップクリームを使うようになっていって、ホテルのケーキバイキングでOLさんがケーキ食べ放題できるようになっていくのだ。もしケーキバイキングがバタークリームケーキだらけだったら、バブル時代のOLさんも吐き気をこらえる悲惨な状況が現出したに違いない。

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