ビートルズ「Yesterday」のすごい日本語歌詞
確か中学時代の英語の時間、「英語の歌を歌ってみましょう」ということで、Yesterdayの歌詞が配られた。どこかの本からコピーしたものか、楽譜、英語の歌詞、日本語の歌詞が書かれていたと思うが、先生は「日本語の歌詞は気にしないでください」と言っていた。当時の僕らも洋楽の歌詞を即座に翻訳できるスキルはなかったが、わりと簡単な単語でできてるので、英語版の大体の意味はつかめたのだが、日本語とずいぶん違うんだなあと驚いたものだ。途中までしか覚えていないが
英語の歌詞が
Yesterday
all my troubles seemed so far away
Now it looks as though they're here to stay
Oh I beleve in yesterday
であるのに対し、それに対応する日本語歌詞が
イエスタデイ
幸せな昨日は
ガラスの箱の中
今日に背を向けて
となっていた。
「幸せな昨日?ガラスの箱の中??どこにもそんなこと書いてなくねえ???」と、先生が気にするなと言ったにもかかわらず、クラス中大受けであった。なのでいまでも冒頭を覚えているのだ。ただ、「文章を正確に翻訳したもの」と思わなければなかなか美しい歌詞だと思う。洋楽を無理に直訳すれば、王様の芸みたいになるもんな。
また、この時だったか別の機会だったか、ビデオで外国人の女性が歌う英語教材な感じのYesterdayを見た事があるのだが、このとき、原曲では
Why she had to go?
I don't know, she wouldn't say
のようになっている部分を
Why he had to go?
I don't know, he wouldn't say
と、she をheに置き換えて歌っていたのである。確か画面に出る字幕でも「he」になっていたと思う。男性主観の歌を女性が歌う場合、女性主観に切り替え、原曲で「彼女」といってる部分を「彼」に置き換えるのが欧米流なのだろうか??と不思議に思った。僕は子供の頃、美川憲一や中条きよしの歌う女性主観の歌が気持ち悪くて、「このひと男に見えるけど女なの?」と親に聞いた覚えがあるのだが、成長するに従って男が女の立場で歌ったり、逆に女が男の立場で歌うこともあるのだということを納得したのだが、欧米ではそういう文化がないのだろうかと悩んだのだ。
ある女性歌手が名曲「天国への階段」をカバー。その素晴らしさにオリジナルの本人たちも号泣!!
レッド・ツェッペリンの「天国への階段」をカバーした女性歌手は「she」を「he」に置き換えたりはしていないようだ。してみるとあのYesterdayはなんだったのだろう。