ヤマザキパンがカビないのは添加物のせいというアレに関連して

事実は製造工程を極めて無菌状態に近い状態に保つ企業努力によって品質が保たれているのだが、「ヤマザキパンは添加物のせいでカビない。だから体に悪い」という話は普及している。

実際食品会社は添加物を減らす努力をしているし、その状態で日持ちさせるように頑張っているが、必要に応じてソルビン酸などの保存料を使う食品もある。それらの添加物も摂取して問題ない量が決められ、それに従っている。

 

そもそも食品添加物がなぜ「悪い」と思われるのだろう。適切に使用された保存料によって食品が長持ちすることはどう考えても「良い」事である。雑菌が繁殖して変な匂いがしたり、カビた食品を食べるよりずっと安全だろう。

 

添加物の恐怖をあおる物として、「最近の日本人は添加物だらけのコンビニ弁当などを食べており、そのせいで死んだ後遺体が腐らない」という都市伝説的な話があるが、この話はあくまで都市伝説であり、人間の全身に行き渡って蓄積され、腐敗を防止するような保存料はおそらく存在しないという点で端的に嘘なのだけど、もし事実だとしても実は何が悪いのかよくわからない話である。遺体が腐らないとしたら誰か困るのか?特に日本では普通火葬するので骨のかけらと灰に分解されてしまい、墓に埋めた後の地球に対するリサイクル性という点でも全く違いがない。

 

なにか添加物は「不自然であり冒涜的であり、あってはならないもの」という漠然とした宗教的な天然原理主義しか感じられないのである。