国際漫画祭に出品される韓国作品に「対抗するために出品する」という行為

幸福実現党の総務会長兼出版局長、矢内筆勝氏がブログに今回のアングレーム国際漫画祭における論破プロジェクトの活動とその後援について書いている。

 

「論破プロジェクト」のアングレーム国際漫画祭でのブース展示について

幸福実現党もその趣旨に賛同し、出品する漫画のフランス語と英語への翻訳事業への後援という形で、同プロジェクトの立ち上げに協力、出品のメイン作品『The
J Fact』の日本語からフランス語への翻訳事業を支援致しました。

多くの方々の幅広いご支援も頂き、その結果、フランス語で書籍化された作品が、フランス国内の書店に配本されることになり、出品ノミネートの資格をクリア致しました。

 

あー、まあ、映画などでも賞取りのために現地公開の実績を作って参加資格を得たりすることはあると思うのだけど、なんというか不純だと思ってしまうな。今回のアングレームでは第一次大戦100年を記念して、戦争や女性暴力をテーマにした展示を行った。要するに戦争や暴力の悲惨を描いた作品を集めて展示しようってことだよね。韓国の慰安婦作品展示はそのテーマに見事に則っているのだ。

日本の中に韓国の慰安婦に関する主張に反論があるのは事実だけど、論破プロジェクトは文字通り韓国の主張を「論破する」事だけを目的とした作品を展示し、漫画祭のテーマに対して「嘘だ嘘だ」と言い立てた形になるわけだ。

アングレーム国際漫画祭は、本来バンド・デシネと呼ばれるフランスやベルギーで発達した漫画の祭典である。近年は日本の漫画も多く取り上げられているが、フランス国内でフランス語で出版されている事を出品ノミネートの条件にしているのは一応バンド・デシネの一種として取り扱う前提があるのかなと思う。また、書店に置かれることはある程度ちゃんとした作品、出版物を対象とするという考えがあるのだろう。

論破プロジェクトのあのような漫画がフランス国内の書店に配本されるというのは、商業的にもありえないように思えるのだが、とにかくどこかの書店に置かせてもらって無理やり「出品ノミネート資格」をクリアしたという事だろう。ここにはアングレーム漫画祭へのリスペクトも今年のテーマへの考慮も全く見られず、「韓国に対抗する」という意志しか見られない。これではダメだろう。