ジョー・ダウンという漫画

 20年位前だろうか、エロ雑誌だか青年雑誌だか忘れたが、たまたま買った雑誌に載ってたマンガが妙に記憶に残っている。タイトルが「ジョー・ダウン」だったような気もするが、これも定かでない。当然作者もわからない。絵柄的には劇画っぽいものだったと思う。

 

 読み切りで、ストーリー自体もほぼ覚えていないのだが、プロット的には一見さえない青年が、実は悪を退治する凄腕の暗殺者だったみたいな、よくあるもので、青年の名前は「上下」「上」が苗字で「下」が名前である。「うえつ・しも」と読む。戦いに臨む際は直衣だか狩衣だか、平安貴族か神職みたいなコスチュームに身を包む。超能力的な特殊能力を持っていたのか、それもと古代から続く武術を使うんだったか、そういうところも覚えていないが、要するに、その名前やコスチューム、出自などを、古代の朝廷を守る一族みたいな、ちょっと珍しい由来に持ってきたのが売りだったのだろう。現代日本のビル街とかに平安時代みたいなコスチュームのキャラを入れる違和感とかも狙ったんだと思う。

 

 ただ、僕がこれを、物語の筋や設定の大半を忘れても妙に記憶しているのは、悪人を成敗した後の一コマ。「僕の名前は上下、友人はジョー(上)、ダウン(下)、冗談って呼びます」というモノローグで終わっていたためだ。「うえつ・しも」という名づけ自体は古代風でちょっといい着眼点だと思う、そして漢字表記で「上下」は見た目間が抜けてるが、なるほどと思わせる。しかし上を漢字の音読みでジョー、下を英語、しかもダウンは微妙に下の英訳として変だ。ジョーダウンがなまって「冗談」というあだ名がつくのはもうなんといっていいか、強引すぎて吹き出す。誰か保存していないだろうか。