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TVアニメの大半が深夜枠なのはなんでだろう

1980年代まで、アニメは夕方5時台~6時台、夜7時台あたりが主流だったよね。日曜午前中の枠もあったか。もちろん当時のアニメが子供、ファミリー向けコンテンツとみなされていたということもあるのだろうけど。そもそも制作費を出す主体が変わってしまったのだよな。

 

もともとTV番組はスポンサーと契約したTV局が制作費を出してたわけで、アニメーションスタジオもTV局から仕事を受けてたわけだ。製薬会社や製菓会社、おもちゃメーカーなんかがスポンサーになって、アニメを見る人達がスポンサーの名前を覚えて商品を買ってくれることを見込んでいた。当然夕方からのゴールデンタイムは一家揃ってTVを見る時間であり、視聴率が高く、広告効果が見込めるので、潤沢な予算が使えたわけだ。ところが今はゴールデンのアニメはめっきり減ってしまった。

1990年代までは結構エヴァンゲリオンもあったしその影響を受けた後発の作品群も多く夕方に放送されてたと思うのだけど、ほぼ同時期に深夜枠のアニメというのが増えていく。稲中卓球部なんかも深夜アニメのはしりみたいに言われるけど、あれは深夜バラエティのなかの枠にすぎないし、エヴァの深夜再放送が異様な視聴率とったのがターニングポイントという話を聞くけど、あのころだと一時的なマニア向け深夜アニメブームで終わりそうな気もする。それがすっかり定着して、いまやアニメ番組の大半が深夜にやってるような感じだ。なんか異様じゃね?

 

TVにおいて深夜1:00以降ってふつうに視聴者の多くが寝てるので、スポンサーにとっての広告効果は低い。80年代や90年代だと、関東なら東京ローカルの中古レコード屋「ハンター」とか「銀座じゅわいよ・くちゅーるマキ」がほそぼそとCM出してる時間だった。枠をスポンサーに売って、TV局が制作費を出すには厳しい時間なのである。なので深夜枠は古い映画とか、再放送物が多かった。これは新たな制作費かからないから。

 

そこで登場するのがアニメの製作委員会制度である。アニメはどうやったって一話数千万の制作費がかかる。なのでアニメそのもので利益を得る可能性がある企業が共同出資してアニメ作品を制作し、放送権料の安い深夜枠を買って放送するわけだ。広告代理店、原作の出版社、OP、EDのレコード会社、ソフト配給のメディア会社なんかが組んで制作費を出し、ビデオ、DVD、BDの売上げ、漫画や小説の単行本売上アップ、主題歌CDの利益なんかを分け合う形で利益を得る。これが思いの外うまくいったために、定着し、深夜アニメがガンガン制作されることになる。これは1980年代以前にはありえない形態だ。ビデオ記録媒体が未成熟だった時代には、アニメは基本一度見たら二度と見られないものだった。ビデオテーブ普及以前も8mmフィルムなどのかたちで一部の作品は販売されていたと思うが、高価だったし、一般家庭向け商品ではなかったと思う。1980年代にアニメ映画やOVAのソフト販売が登場するが、長いTVシリーズ全部販売という形態は当初存在しなかった。映画やOVAは1時間から2時間の尺があり、単価1万円とかしたのだ。当時TVアニメは今みたいに1クール、2クールで終わるものが主流ではなく、一年はやるのがあたり前だったし、これを売ったらえらい高額になる。ましてTV作品って毎週制作の時間的なリソースの問題もあって、クオリティが高いとはいえないものだった。商品価値としてどうなんだって話になる。

 

これを覆したのはおそらく「うる星やつらLDボックス」だろう。全話30万円のセットが馬鹿売れした。オタクがソフトを買うために出費を厭わないという例がここに成立する。「銀河英雄伝説」は、30分番組をTVで放送せず、制作しながら毎週VHSテープ一本送りますというビジネスでやりきった。つまりこのあたりで、TV放送フォーマットのアニメソフトが継続的に商売になるというのがわかってきた。

 

結果、TV放送しながら2話~4話程度のまとめソフトが売られるようになる。正直高いと思うけどなー。この高価格がアニメ制作を支えていると思うと一概に非難もできないのがつらいところである。「円盤」の売上が続編製作に直結したりするし。

 

そういえばSHIROBAKOの作中で、アマゾンランキングや、ツイッターのトレンドを気にする展開はあったが、視聴率を気にする展開は一度もなかった。要するにそういうことなんだよな。