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化学物質ってなんだろう

世の中的に「化学物質」という言葉はあまり印象のいいものではない。生活環境や食品中に「化学物質」が含まれていると体に悪いという印象があるようだ。しかし「化学物質」ってそもそもなんだ?と考えるとすごく曖昧じゃないだろうか。

 

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以前ちょっと話題になった英国王立化学会が出したジョーク。世の中に「化学物質」でない物質は存在しないという話。

 

化学物質を、化学反応によって作られた物質とするなら、宇宙のあらゆる分子はすべて化学物質なのである。炭素や水素、その他の元素が宇宙空間や星の上で自然に化学反応を起こし、結合して分子が作られる。さらに生物の体内は複雑な化学工場であり、食物を化学反応によって分解して肉体を化学反応によって構成し続けている。化学実験でフラスコや試験管の中で試薬を混ぜ合わせたりするのと根本的には何も変わらない。

もちろん「化学物質は体に悪い」と思う人にとってはこのような説明はたちの悪いごまかしに感じられると思う。「そういう意味じゃない。我々が言う化学物質は人間が自然に存在する物を取り出したのではなく合成した物質のことだ」と思ってるんじゃないだろうか。だけどたとえば人間が塩酸と水酸化ナトリウムを混ぜ合わせて作った塩化ナトリウム(塩)と、海水から抽出した塩はどちらもNaClであり、摂取したときの挙動は全く同じである。

「塩とかじゃない、そうじゃなくて有害な物質のことだ」と思うかもしれない。そのように考えていけば、最終的には単に「有害な物質」ということになる。「化学」ってつける必要なんかないと思う。

 

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上記も以前話題になったものだが、砂糖がいかに有害かを切々と描き、その根拠として、砂糖は食品ではなく「化学方程式で表せる薬なんだ」と言っている。「化学方程式」などというものはないので、「化学式」の間違いだと思うけど(そもそもそこに描かれてる化学式が砂糖のものではないけど)、こう、「化学式で表せる物は食品ではない」という思考がなんかあるらしい。あらゆる食品の分子は化学式で表せるはずだけど。なんだか「化学」=「不自然」で食べたらダメみたいな印象が感じられるのだ。

 

よく言われることだが、「天然に存在するかどうか」は毒性と直接の関係はない。天然だからとトリカブトやフグの毒を食べてもいいという人はいないだろう。あくまで有害かどうかは毒性試験によって、由来にかかわらずチェックされなければいけないのだ。