雑談

ダーウィン進化論と日本独自の進化論

ダーウィン(とウォレス)の進化論は、遺伝子の発見以前のものなのだが、そのアイデアは驚くほど有効だ。それは非常にシンプルな考え方に基づく。 生物は自分より多くの子を作る。 子は親に似ているが僅かな変化がある。 生存環境において親より優れた個体は…

無印良品はかつて無駄を省いた安さを追求したブランドだった。

もともと無印良品というのは、西友のプライベートブランド開発企画からはじまって、ノーブランドを和訳した「無印」をそのブランドに採用したものだ。デザインやパッケージに気を使わず、その分値段を安くが合言葉で、今でも使用されているベージュのラベル…

倭国と邪馬台国と大和と

古代中国の文献で日本のことは「倭」という字が当てられている。発音的には「わ」なのだが、これは基本的に中国側から日本を呼称するものであって、日本人は自分たちもしくは自分たちの国を「わ」とは呼んでいなかったであろう。「倭」の由来は不明で、漢字…

MTVとCNNがやってきた時代。庶民が「外国」に触れた1980年代

1970年代まで、普通の日本人にとって外国は異世界だった。少なくとも1964年生まれの僕にとっては、外国というのはどこか彼方の、断絶した世界だった。いやもちろん当時も、もっと前の戦前も貿易で戦争を起こすほどに重要だったのだから、海外との交流はずー…

マーフィーの法則と進化論

マーフィーの法則とは、「なんであれ悪くなる可能性のあるものは必ず悪くなる」「トーストを落としたときに、バターを塗った面が下になる確率は絨毯の値段に比例する」といった、ペシミスティックな法則である。もちろん根拠はないが、なんとなく聞いた人が…

ヨーロッパ風異世界後宮物を読んでも畳の和室が頭に浮かんでしまう

「小説家になろう」などのサイトで発表されている作品で、中世~近世ヨーロッパ風の異世界での後宮が舞台となっているものがいくつかある。たとえば ncode.syosetu.com ncode.syosetu.com といった作品である。この二作品はたいそう面白いのでオススメだ。そ…

氏、姓、苗字の謎

現代日本において、氏、姓、苗字は基本的に同じで、家名を表すものとなっているが、明治以前はこれらは別のものだった。このへん現代感覚ではすごーくわかりにくい。それはもうとんでもなくややこしい。 「氏」はもともと祖先を同じくする集団の名乗りであっ…

【ネタバレ】シン・ゴジラ感想 名状しがたきゴジラ

ネタバレ感想なので空白を開けます。 シン・ゴジラのすごいところといえば、緻密な政府や自衛隊の描写だとか。みんな大好き無人在来線爆弾だとかいろいろあると思うけど。ゴジラとして、いや、地球の生物として完全にはみ出してしまったゴジラそのものの描写…

CG以前に特撮の瑕疵が見えなかった唯一の作品は2001年宇宙の旅だと思う

映画の歴史において、極初期にジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」があったように、映画において特撮は重要な要素だと思う。そして、それはどうやってもチャチに見えてしまう事との格闘だった。 ミニチュアセットはどうしても小さく見える。カメラを寄せて…

霊的装置としての靖国神社

僕はサヨクを自称しているので靖国神社は基本的に嫌いだ。そもそも神なる超自然的存在をまるっと信じていないので、国のために死んだ人間が神になるという設定自体全く納得できない。そんな僕が靖国にいったのは大学卒業時。武道館で行われた卒業式に田舎の…

収入と肉と野菜とトンデモ

昭和時代のマンガで貧乏を描くと、まあおかずがメザシとかそういう描写だったわけだが、まあさすがにメザシ一本しか食えない家庭はそんなに多くなかったと思う。ただ、当時は肉は結構高いもので、魚と肉で言ったら日常は魚、肉が食える機会は少なかった。貿…

公式マスコットの存在するプログラム言語 3種類のマスコットをざっくり解説

ちょっと前にプログラミング言語解説記事がはてな界隈で突発的に流行っていたが、そういうの詳しくないので、マスコットについて書いてみたい。 といっても、公式マスコットが存在する言語、僕3つしか知らないんだよね。 1. Java マスコット:Duke 実はこの…

ミームと宗教。そしてちょっとだけコンピューター

人類は脳を発達させ、言語を発達させ、抽象概念を発明し、文字を発明して記録を残せるようになった。遺伝子的、肉体的に我々ホモ・サピエンスは10万年前とほとんど変わらないはずなのに、生活や文化がまるで違う。これはまぎれもなく進化論的現象であり、こ…

タバコのCMは総じてかっこよかったが、たまに…

タバコのCMが禁止される以前、タバコ会社はなかなかカッコイイCMをよく流していた。まああれは確かに「タバコ=カッコイイ」のイメージが出来てしまうと思うので、世界的に喫煙が排除される時代に禁止されていったのはしょうがないと思う。 中でもフィリップ…

センサーシフトをしゃぶりつくすPENTAXは面白すぎる

カメラの手ブレ防止機能には、大きく分けてレンズを動かす方式と、イメージセンサーを動かす方式があります。後者の利点はボディ内で手ぶれ補正できるので、レンズの方に複雑な補正機構を入れなくても良いこと。レンズ交換式カメラなら、古い時代のレンズで…

昔のMacintoshの仕組み3 意外と原始的なイベントドリブンとマルチタスク化

GUIな環境では基本的に上から下への手続き、バッチ処理的なプログラムではなく、マウスクリックやウィンドウの表示、サイズ変更といった各種イベントに従って動作を記述する「イベントドリブン」というプログラミング手法が必要になる。当然初期のMacもイベ…

昔のMacintoshの仕組み2 リソースとファイルタイプ

一般的なコンピューターのファイルと言うものは、ファイル名で検索される単一データの塊である。「ファイル」の「中身」は当然一つであった。"readme.txt"というファイルはテキストファイルであり、その中身はユーザーに読んでもらうためのテキストであるの…

昔のMacintosh仕組み1 メモリ管理

ちょっと今日から何回か、昔のMacのプログラミングとかOSの構造とかについて話していきたいと思う。初期のMacのUIはいまのパソコンの殆どに影響与えてるし、ぱっと見いまのWindowsやLinuxのGUIと変わらないけど、そこには昔ならではの違いとかいろいろあるの…

PETボトル普及以前のだるまボトル

現在のコンビニの冷蔵ケースにはPETボトル飲料が大量に陳列されているが、実は500ml以下のPETボトル飲料は長い間業界の自主規制で作られなかった。 食品衛生法の改正で清涼飲料の容器にPETボトルが使用可能になったのは1982年である。ところが当初PETボトル…

高橋研「懐かしの4号線」の謎

www.youtube.com 昭和54年、この曲が岩手のラジオで連日かかっていたことがあった。全国的にはそれほどヒットした曲ではないと思う。「懐かしの4号線」は岩手出身のシンガーソングライター、高橋研のデビュー曲である。 4号線はもちろん国道4号線。東京か…

4K,8Kテレビの時代が地方テレビ局を終わらせる可能性

現在電気屋にいけば4Kテレビを大々的に展示して売り込みをかけている。しかし4K放送は現在のところCSのスカパーのみ。今年BSでも放送が始まる予定だが、地上波での放送予定はない。地上波はもともと帯域が厳しく、現在のHDTV放送も1080iとはいっても横方向の…

MSXが終わらないIF物小説を誰か書かないか

1990年に発表されたMSXturboRはひどく挑戦的で、しかしダメなマシンだった。CPUが衝撃的にすごくなったのに、VDPがMSX2+のまま。おかげで高速CPUにもウェイトが入りまくる有様。というかすでに90年という時期にはIBMPC互換機を除く独自アーキテクチャのパソ…

ファンタジー作品における冒険者ギルドとは一体なんだろう

前回の記事で「小説家になろう」で面白かった作品を並べてみたが、その多くが魔物とかがいて魔法とかがあるファンタジー小説で、転生や転移した主人公が活躍する舞台として「冒険者ギルド」というものが設定されている。こういう作品における「冒険者ギルド…

メモ:「小説家になろう」で面白かった作品

「小説家になろう」に投稿されている小説を、ランキングなどを頼りに読んでみて、個人的に気に入った作品を備忘録的に並べておく 現在の段階で完結作品(本編完結後外伝等が続いている作品も含む) ncode.syosetu.com 冒険者ギルドとかある系のファンタジー…

アーケードゲームはアーケード商店街のゲームではない

コインを入れて遊ぶような業務用ゲーム機を一般に「アーケードゲーム」と言うが、この呼び方、なんか不思議に感じたことはないだろうか。 「アーケード」というのは、アーチなどで覆われた通路で、一般に商店街などに見られる。というか、日本だと商店街の通…

ハッカソン、八ヶ村

ハッカソン - Wikipedia ハッカソンってのは要するに「ハック」+「マラソン」で、短期間のイベントでガーッとプログラム組んだりして競い合うものなんだけど。なんかこの単語見聞きするたびに中世日本の農村風景みたいなものが頭に浮かぶ。そう、「八ヶ村」…

ドリンク剤と精力剤の曖昧な境界

ドリンク剤というのは、「ファイトー!いっぱあ~つ!!」で有名な「リポビタンD」に代表されるアレだ。主に疲労回復効果を狙った液体ビタミン剤と言っていいだろう。なお、あのCMで必ず山登りとかした『後で』飲んでるのは、あくまで疲労してしまった後の回…

武道を極めても魔法のような強さは得られないと思う

中国武術とか合気道とかってちょっと信じられないエピソードあるじゃん。李書文が掌打を放ったら相手の頭部が胴体に埋まって即死とか。いやいやそれはないって思うでしょ。思わない?掌打で頭が胴体に埋まって即死だよ。つうことは肩の筋肉だけで円弧の動き…

ビートルズ「Yesterday」のすごい日本語歌詞

確か中学時代の英語の時間、「英語の歌を歌ってみましょう」ということで、Yesterdayの歌詞が配られた。どこかの本からコピーしたものか、楽譜、英語の歌詞、日本語の歌詞が書かれていたと思うが、先生は「日本語の歌詞は気にしないでください」と言っていた…

「オカエリナサイ」の元ネタかもと思ったSF小説

1970年代だと思うのだけど、学研の科学だったか、それとも中学に入って読んだ中1コースとか中1時代みたいな中学生向け雑誌だったかに、あるとき短編の読み切りSFが載っていた。なにしろ昔の記憶なのでぼんやりしているし、間違った記憶になっちゃってるかも…